【3歳で言葉が遅い子に】言語聴覚士が選ぶ言葉を引き出す絵本9選

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目次

3歳で言葉が遅れている…?時のチェックポイント

はるみち

言語聴覚士公認心理師のはるみちです

私は現在、発達支援事業所で働いていますが、以下のような相談を受ける事がよくあります。

うちの子、3歳になってもなかなか言葉が増えません‥
周りと比べて心配になります。

話してはくれるんだけど、何て言ってるかわからないことも多くて‥

確かに子供の発話量やその内容は、発達の印象を強く意識させられるものです。

「心配しないで」「焦らないで」と言われても心配になるし、焦りもしてしまいますよね。

ただ、それでもやはりこの時期に“言葉がゆっくりだな”と感じていても、過度に焦る必要はありません。ここから「もう静かにしてぇ💦」という位お話しする子も実際多くいらっしゃいます。

療育の場に来られるお子さんも、私の経験上3歳以降から言語が伸びてくるお子さんの割合が非常に高いです。

3歳頃の言葉は訓練等で教え込むのではなく、安心できる“言葉が出やすい環境”を作ることが大切になります。

それなら、「じゃあ、待っていれば大丈夫なのかな…」とも思う一方で、家庭でできる工夫があれば試してみたいですよね。

そこで提案したいのが絵本の読み聞かせです。

なぜなら絵本には、言葉をキャッチしやすくするための工夫が“楽しく自然に”散りばめられているからです。そして、毎日忙しいママ・パパにとって、子供との時間をギュギュッと濃密に共有する手助けをしてくれるはずです。

この時期に“適切な絵本”と“毎日の読み聞かせ”を取り入れることが、これからの言葉の伸びをグンと後押ししてくれるはず。

今回の記事からは以下のような事がわかります。

この記事からわかる事
  • 3歳児の言葉を引き出すオススメの絵本9つ
  • 言語聴覚士の立場からオススメする理由
  • 療育現場や実生活での使用例

専門家として、数ある絵本の中から“本当に言葉が出やすくなる条件を満たす9冊”を厳選しました。

ひとまず迷ったらこの中からの1冊を“今月の読み聞かせ本”にぜひ加えてみてください。

先にオススメ絵本タイトルだけ一覧でまとめますので、気になる絵本があればすぐにチェックしてみてくださいね。

受診や相談を検討してもいいサイン

親が医師と面会している。
喋らない子供のことでリラックスしながら相談しているイラスト

一方、いつも以下のような反応があるのであれば、かかりつけ医や通園している園の先生に相談してみても良いかもしれません。

  • 名前を呼んでも反応しない
  • 目がほとんど合わない
  • 指差しなどの意思表出をしない
  • 無表情

とりあえずの相談は、早めの安心につながります。親御さん自身の「しんどいな」も十分なサインの一つです。

専門機関への相談について詳しく知りたい方はこちら

3歳の言葉を引き出すために絵本をオススメする理由

寝室で子供がベッドの中に入っている。親は絵本を読んであげており、子供は嬉しそうにそれを聞いている。

絵本が言葉を引き出してくれる理由は以下です。

  • 楽しみながら聴く力が育つ
  • 親子のやりとりが自然に増える
  • 話したい(気持ちを外に出したい)意欲を引き出してくれる

気に入ったもの・好きなものに対する子供の集中力には凄まじいものがありますよね。

普段じっとしていられない子供さんでも、好きな絵本を前にするとジッと見つめ、読み手の声に集中できる事も多々あります。

より詳しく知りたい方はコチラ

3歳の言葉を引き出すオススメ絵本9選

7冊の本を紹介しているイラスト

3歳でことばがゆっくりと言っても、「どのあたりが特に苦手か?」で傾向は変わってきます。

ここではことばがゆっくりのカテゴリーを大きく4つのグループに分けてみました。

グループごとに解説し、オススメの絵本を紹介します。

ことばがゆっくり4つのグループ
  • 単語はあるけど文がまだ…
  • 理解や整理がまだまだ苦手
  • 理解してそうだけど、あんま声出してくれない
  • いろいろ喋ってくれるけど何言ってるか不明瞭

単語は出るけど、文はまだな子向け

「ママ」「パパ」「くるま」などこれらは全て具体的な概念であり、一般的に“単語”と呼ばれるものです。

対して、「◯◯する」と言った動作や、「大きい/小さい」と言った状態を表す言葉抽象的な概念と考えられます。

具体語抽象語
特徴揺るがない“それそのもの”
を表す言葉
“状態”を表す言葉なので、条件によって理解が変化する
難易度難しめ
「ママ」「パパ」「アンパンマン」色 大きい/小さい 走る 少し

子供がまず理解するのは具体的な言葉です。なぜならいつもそばにあってわかりやすいから。

言葉の表現が文になっていくには、具体語よりもわかりづらい“抽象的な概念を理解する”必要があります

ここで紹介する絵本は、そんな抽象的な概念を取っ付きやすくして楽しみながら学べる作品です。

『いろいろばぁシリーズ』(作・絵:新井 洋行/えほんの杜)

絵の具からいろいろな色のおばけが「ばぁ」と飛び出してくる。カラフルで楽しく読める♪

ST的おすすめポイント
  • 2語文「車×走る」よりも「赤い×車」の方が難易度が低い。やさしめの2語文の土台になる
  • ページをめくると「ばぁ」「ポッポッ」「ぶにゅ」と色オバケが飛び出す。「めくりたくなる」シンプルな仕掛けがズルい。擬音もあり。
  • 「色」は子供が大好きで身近な題材の一つ。色概念の学習をこの上なく楽しくできてしまう
はるみち

具体的な単語はまだ全然言わないけど、先に「きいろ…」と言ってくれた児童さん(ASD診断のある当時3歳)がいました。
「どんな色が好き?」など歌と合わせたりしながら、絵本と色の認知を深めることは、発語のとても良い練習になります。
“好き”はこの上ない学びの栄養源です☺️

シリーズセットも欲しくなってしまします…

『なにをたべてきたの?』(作:岸田 衿子/絵:長野 博一/佼成出版社)

はらペコしろぶたくんが何か食べると、白いお腹に一つ一つ色が追加されていく愉快なお話。レモンも丸ごと食べちゃいます。

ST的おすすめポイント
  • 「お腹がきいろ。レモンだね。」
    「お腹が赤い。なにをたべたんだろ?」とやりとりが沢山できます。
  • ぶたくんが食べる果物や、食べたあとのお腹の変化で言葉のインプット指差しアウトプットが自然にできる。
  • 「メロン、メロン、とても大きなメロン」と本文でリズムよく単語とさりげない2語文を繰り返
はるみち

ぶたくんのお腹の色の変化から「食べて無くなった物がお腹にあるよ。食べたのは“りんご”だ」と“食べる”行為に情報がわかりやすくまとめられています

お腹の色が赤・黄・緑と複数あると「どれがメロンだろう?」から指差しを促しやすい。
また、慣れてきたら「これ(赤)はなんだろね?」と楽しく言葉のやりとりができますよ。

言葉の理解や整理がまだ苦手な子向け

もしかしたら語彙の量もまだまだ多くない場合もあるかもしれません。

その場合は親子で同じものに注目する共同注視を促してくれる絵本が特にオススメです。

いや、そもそも絵本に注目してくれないんですよ…

そんな時こそ、楽しい仕掛け絵本があると子供の興味・関心をくすぐってくれます。

『おめんです』(作・絵:いしかわ こうじ/童心社)

1ページごとに動物など、色々なお面が登場する。仕掛け絵本の代表格。

ST的おすすめポイント
  • 「めくってみて?」から親子のやりとり⤴️コミュニケーションの土台作りになる
  • 「めくる」アクションが自然に要求されることで、自然と“アクションを起こす機会”が求められる
  • 登場キャラの表情や鳴き声のまねっこが楽しめる
  • 「ゴリラ うっほっほ」「ライオンがおー」と2語文の促しにも良い
はるみち

めくったお面を自分の顔に当てて「先生みてみて」と支援員の関心を引こうとする子供が続出でした。
子供の「みてみて」は魔法の言葉。一緒に何かを楽しむ大チャンス!
他者と楽しみを共有できる事は言語発達の上でとても大切です。

『たべるのたあれ?』(作:すぎはらこうたろう/東京書店)

ST的おすすめポイント
  • 動物の口が「むしゃむしゃ」する動きが強烈な視覚刺激となり子供の視線が釘付けになります
  • 馴染みのある食べ物・動物なので比較的言葉をキャッチしやすい
  • しかけがあることで“さわりたくなる”“めくりたくなる”欲求を刺激します。

発語が少ない子向け

声を出し、話すことへの“興味”や“自信”が育っていない場合が考えられます。

身近な題材や、発しやすい音(擬音など)で楽しく声を出す機会が増えるといいですね。

『しろくまちゃんのほっとけーき』(作:わかやま けん/こぐま社)

みんな大好きホットケーキを作る過程が楽しく描かれている。擬音語が豊富。

ST的おすすめポイント
  • 「ぽたぁん」「ぷつぷつ」「まぁだまだ」など声(音)マネがしやすく語感を育てやすい
  • 「準備→作る→食べる→洗う」とストーリー展開を追う練習になる
  • 生活に身近な語がだくさん(卵 お皿など)なので、イメージ・理解がしやすい
はるみち

短いながらもストーリーを追う本の入門編として最適。
これまでの流れを記憶し、次のシーンへ切り替える内容が「作る→食べる→…」で可愛く表現されています。
私の子供とのままごと中に「できたかな?」と聞くと「まぁだまだ」がお約束になっていました☺️

「ノンタンこちょこちょこちょ」(作・絵:キヨノ サチコ/偕成社)

ST的おすすめポイント
  • “こちょこちょ”したくなるし、やり返したくなる。濃いやりとりが繰り広げられます
  • 大人も子供も、こちょこちょ動作に自然と言葉を添えたくなります
  • 音をそして声を出す楽しみを、身体に染み込ませながら読み進める一冊
はるみち

「やめて」と言われるとやってやりたくなるのが人情。それは大人も子供も変わりません。(←カリギュラ効果などと言われます)
その心理効果ゆえ、いやでもやりとりが盛り上がってしまいます。ぜひ親子でこちょこちょの応酬を楽しんでみてください!

発語・発音が不明瞭な子向け

3歳はまだまだ口や舌の使い方や筋肉の活動が不十分な時期です。その結果発音が不明瞭な事がありますが、この時ならではの可愛さであったりもしますよね。うちの息子(2)も「トムとジェリー」を「トマトゼリー」とか言いますし。

ただ、そうも言っていられないくらい不明瞭だと「言ってることが伝わらない」ことで自信をなくしたり、癇癪につながりやすくなったりしがちです。

しっかり明瞭に出せるようになる必要はありませんが、この時期から「カ行」「タ行」、少し難易度は上がりますが「ラ行」によく触れておくのはオススメです。

たくさん聴いてくれたり、よければ真似をして声を出してくれるとより良いですね。

『わたしのワンピース』作・絵:(にしまき かやこ/こぐま社)

「ふわふわっ」と空から落ちてきた白い“きれ”。ワンピースに変身したら、色んな模様に変わっていく…

ST的オススメポイント
  • お話全体のリズムが良い。使っている単語も子供にとっても馴染みのある語が多い。
  • 「ミシンカタカタ」や「あらら」と、何気なく舌の大切な運動を促す要素が詰まっています
  • 上記に加えて擬音や、ストーリーの難易度などのバランスが絶妙
はるみち

「わぁ」「あれぇ」「あらら」といった感嘆詞が散りばめられています。
読み手の抑揚やアクションがつけやすく、子供にとってマネがしやすい条件が整う耳や舌から、中期的にみた音作りの良い練習になります。

まだお話しが充分でない利用児さん(当時3歳)が「あれぇ」で上半身ごと頭を傾げてくれた時には手応えを感じました。

動作のマネは言葉のマネに繋がりやすいです。

その他おすすめ絵本

『ねないこだれだ』(作・絵:せな けいこ/福音館書店)

夜ふかしする子はオバケが連れていってしまう!?ドキドキなストーリー性あり。

ST的おすすめポイント
  • 「怖い」がわかるから「楽しい」が際立つ。感情の分化に大切な役割を果たしてくれる
  • ドキドキする世界観のため、子供が絵本から目を離せなくなる→よーく言葉を聞いてくれる
  • 聞いている子供への“問いかけ”の様に感じる要素が沢山あることで、想像力を掻き立てる
はるみち

ちょっと怖いけど、余計に目が離せない・その場から離れられない“引力?”みたいなものがあるんでしょうか。
本を閉じたら「おしまい」といつもの世界に帰って来れる安心感もセットでgood

『どうぞのいす』(作:香山 美子/絵:柿本 幸造ひさかたチャイルド)

読み終えた後、子供だけじゃなく、ママパパが優しい穏やかな気持ちになれる絵本。「あとのひとに おきのどく」と、次々やってくる動物達が“どうぞのいす”に置かれた食べ物を食べては別の食べ物をそっと置いていく。思いやりの連鎖ストーリー

ST的おすすめポイント
  • 短いストーリーの繰り返しで、登場する動物や食べ物がくるくる変わる。繰り返しは“予測・期待”などの心理効果が働き言葉をキャッチしやすくなる
  • 「あとのひと」を想う“他者視点”の理解を自然に深め、“心の理論”に繋げる土台となる
  • 絵がとても優しいタッチなので、穏やかな気持ちでお話に集中しやすい
はるみち

文字数は今回の7選中いちばん多いですが、ショートストーリーの繰り返しのため、「次は“クマさん”がくる」予想から単語が出易くなる場合も多いです。
ページをめくった瞬間子供達から「リスさん」とか言われることも多々。
去年訪問していた保育園(年少さん)の劇にも採用されていました。誰かに優しさをあげたくなる一冊です。

よくある質問(FAQ)

はるみち

親御さんからよく頂く質問をまとめてみました。ぜひ参考にされてみてください。

3歳で言葉が遅いのはよくあることですか?

個人差は大きいですが、「単語は言えるが会話が続かない」「発音が不明瞭」という相談は多いです。

3歳以降は特に語彙が増える時期なので、“本人の好き”を起点に関わり方を少し変えるだけで伸びるケースもよくあります。

絵本を読むと、本当に言葉は増えますか?

経験上増えるケースが非常に多いです。ただ“選び方・読み方・読む状況や頻度”などに注意しましょう。

絵本は「語彙の入力」と「やりとり(共同注意など)」を同時に増やせるため、効果が出やすいです。読み方を少し工夫すると、より言葉が伸びやすくなります。

どのくらいの頻度で絵本を読めばいいですか?

毎日1冊で十分です。長時間よりも「短く楽しく続ける」が効果的です。何より親が無理をしないように

読み聞かせの時にこちらの質問に答えてくれません

よくあることです。単に「答えない」のではなく、まだ“答える段階”に達していないケースも多いです。

質問よりも、まずは大人が“実況”や“感想”を伝える方が言葉が定着しやすくなります。

「言って!答えて!!」はNG

絵本を読んでいても言葉が増えない場合は?

以下のことを確認してみましょう。

  • 興味に合っているか
  • 難しすぎる絵本を使っていないか
  • 読み方が単調になっていないか
  • 子どもが注目しているか

このあたりを調整してあげるだけでも伸びることが多くあります。心配な場合は専門家(STなど)に相談すると安心です。

この記事で紹介した絵本一覧

『いろいろばあ』

やさしい2語文の土台作りに最適

『なにをたべてきたの?』

色と果物でインプット、指差しでアウトプット🎵

『おめんです』

“めくる”アクションで自然に表出

『たべるのだあれ?』

飛び出す仕掛けで視線を釘付け!

『しろくまちゃんのほっとけーき』

「ぽたぁん」「ぷつぷつ」身近な擬音の一冊

『ノンタンこちょこちょこちょ』

レッツこちょこちょ合戦

『わたしのワンピース』

リズムの良いストーリーから学べる一冊

『ねないこだれだ』

想像力を広げ目が離せない絵本

『どうぞのいす』

言葉のキャッチがしやすい

まとめ

3歳児の言葉を引き出してくれるアイテムとして絵本を紹介してきました。

早速実践していだだくに越したことはありませんが、以下のような気持ちでいるくらいがちょうどいいのかもしれません。

絵本を使って言葉を育てる

絵本で楽しくやりとりをした結果、言葉が育つ

今回ご紹介した9冊は以下の様な特徴があります

  • 食べ物や色など身近な語彙で覚えやすいもの
  • 短くリズムを生む単語や文で発語を促す
  • ストーリーや繰り返しで理解力を伸ばす

ストーリー性が入ってきているのが2歳ごろとは特に異なる部分ですね。

是非気になる本から手に取って、お子さんと一緒に絵本と言葉の世界を楽しんでみてください。

著者写真

はるみち(言語聴覚士/公認心理師)

【経歴】MRとして製薬会社に10年勤務し、30歳過ぎでST養成校へ。現在は臨床で言語聴覚士として10年以上の経験を持つ。令和4年に公認心理師を取得。
【専門】小児の言語発達とコミュニケーション支援。

→ 詳しいプロフィールはこちら

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