指差ししない?2歳3歳の“伝えたい気持ち”を育てる絵本8選

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はるみち

言語聴覚士公認心理師
はるみちです

私は現在発達支援事業所に勤めており、日々お子さんの発達のご相談を受けています。

ご相談の中で、特に多くを占めるのがお子さんの“ことばの悩み

「言葉が出ない」

「言葉が増えない」

このような心配は頭から離れず、心の一部分を絶えず占めてしまっていることもあるんじゃないでしょうか?

ただ、ここで注目して頂きたいのは「言葉の有/無」ではなくて「言葉の前段階にある力」のこと。

「言葉の前段階にある力」について知ると、ただ不安でしかなかったことが理解を伴った見通しに変わってゆきます。

今回ご紹介する言葉の前段階にある力とは指差し

そしてその指差しを引き出す強力なパートナーである絵本です。

指差しは「誰かに何かを伝えたい」意欲・行動の表れであり、発語の土台を構成する力の一つとして重要なもの。

少しずつで大丈夫です。一緒に漠然とした不安の正体を紐解いていきましょう。

この記事からわかること
  • 発語の前にある“指差しの力”
  • “指差しの力”を引き出す言語聴覚士厳選の絵本8冊
目次

“指差し”とは発語の前に育つ「伝えたい気持ち」のサイン

指差しは「興味」や「驚き」を示す動作から始まり、その気持ちを誰かに伝えるための動作へと変化してゆきます。

これは発語の前段階にあたるとても大切なサイン。

そのため「言葉が出ているか」よりも前に、「指差しが出ているか」を確認することが重要なポイントの一つになります。

ママさん

指差し…あんましないな‥

そう感じていたとしても、あまり心配し過ぎる必要はありません。

指差しは教え込んで身に付くものではなく、自然に増やしていける関わり方があるからです。

指差しの発達段階や詳しい内容についてはコチラ

指差しが増えると発語につながる理由

発語とは、意味や意思を誰かと繋ぐためのいわば便利ツールのこと。

そしてこの便利ツールが使えるようになるには、土台を作るための経験が必要になります。具体的には以下のような経験です。

  • 誰かと同じものを子供が見る
  • 子供が感じた気持ちを誰かとシェアする
  • 子供が感じた気持ちを誰かに伝える

上記のような「共有体験」を繋ぎ・表現する役割を指差しが持ちます。

つまり指差しを見る機会が増えるほど、発語までの距離感が縮まってきていると捉える事ができます。

私の経験上、発語がゆっくりなお子さんは、この共有体験が足りていない例が少なくありません。

この体験を増やす入り口として、最も効果的な選択肢の一つとしておすすめしたいのが自然に指差ししたくなる絵本の活用です

指差しを引き出す絵本には“仕掛け”がある

指差ししたくなる絵本とはいっても、どう選べば良いのでしょうか?

ここではST目線で特に重要なポイントを3つにまとめてご紹介します。

①視線が止まる“注目ポイント”がある

子供が指差しをしたくなるのは「あっ👉!」と気づく対象がある時。どんな対象かというと

  • 色がはっきりしている
  • 形が単純
  • 背景がごちゃついていない など

こうした要素が揃っていると

  1. 見る↓
  2. 気づく↓
  3. 指さす👉

の流れが自然に起こりやすくなります。

②大人が問いかけやすい構成

指差しは「みっけ!」だけでなく、誰かに伝えたい気持ちがあって初めて生まれるもの。そのため

  • どこかな?
  • いたね!
  • 何がある?

といった声かけが自然にできる絵本はやりとりが生まれ、指差しをする機会が増えます。

③ページごとに変化がある

  • 位置や形が変化する
  • 登場人物が増える
  • 出たり消えたりする

といった変化がある方が、子供は「次どこかな?」と探したくなります。

この「探したくなる気持ち」が

  • 選んで見る力
  • 見続ける力
  • 誰かと共有した気持ち

これらを同時に育ててくれます。

このような条件を満たす絵本は、子供が思わず反応をしてしまう仕掛けがいっぱいあるということ。

次の章では具体的な絵本のタイトルに触れてゆきましょう

指差ししない?2歳3歳にSTがおすすめする絵本8選

ここからは思わず指差しをしたくなる構造を持ち、

「みて!」

「あった」

の共有体験を引き出しやすい絵本を厳選しました。

STはるみちイチオシ👉“指差し特化型”絵本

『くだものいろいろかくれんぼ
作:いしかわこうじ

「見つけた!」が止まらない、指差しを引き出す仕掛け絵本

どんな子におすすめ?
  • 指差しがまだ出ない
  • 指差しはあるけど「みてみて」しない
  • 物への興味はあるが人と共有しない など
どんな事が期待できる?
  • 指差しの出現
    “見つけたくなる”視覚刺激から自然に指が伸びる
  • 共同注意の強化
    見つけたことで大人と共有する流れが作られる
  • ことばの土台形成
    指差し👉共有👀👉音声表出🎤へ発展
STからワンポイント活用法
  • 子供が見つけるまで待ってあげる
  • 見つけた瞬間「あったね!」だけ添える

これを意識するだけでも、より強く指差しを引き出すことに繋がっていきます。

発語がまだなくても、指差し見つけた時に「どう?」「ドヤ?」とコチラをみてくれる児童さんが特に多かった本です📗

指差しをいつの間にか楽しく練習できる絵本

『れいぞうこ』 作:新井洋行

冷蔵庫の中で大好きな◯◯を発見💡いただきまーす。

食いしん坊さんにおすすめ

呼ばれた食材は「はーい」と動いてくれるので指差し発見がしやすい!

整頓された冷蔵庫なので、親子で牛乳さんなどを共有しやすい作りになっています。

指差した後に、応答の「はーい🙋」を可愛く見せてくれる児童さんが沢山居た印象深い一冊です。

『なーんだなんだ』 
作:カズコ・G・ストーン

一冊丸ごと!ジワジワと“ある動物”が現れて…

「かわいい」が好きなお子さんにオススメ

真っ赤な背景に白と黒の“ある動物”が少しずつ登場。その様子に目が釘付けになる児童さんが多数だった一冊です。

  • 可愛いだけでなく、色のコントラストから子供の注意を引きやすい
  • 大人からするとゆっくりすぎるリズムで情報が上書きされてゆく

このような子供にハマる要素が、実はギュッと込められています。

『まるてんいろてん』作:中辻悦子

丸も色も変化も 子供は大好き

色・形など、より視覚的な刺激が好きな子にオススメ。

ページをめくると、カラフルな丸・点が大きくなったり、表情に見えたりと変化が楽しい。

変化を捉えて指差しを引き出してくれる一冊です。

『くらいくらい』
作:はせがわ せつこ 絵:やぎゅう げんいちろう

スイッチがあると…「ポチッとな」したくなる

好奇心が強く、「◯◯せずにはいられない」お子様にオススメ

スイッチを押すと、真っ暗ページが「パッ」と明るくなり動物の正体がわかります。

「でんきつけてー」「ボタンどこ?」の声掛けから、魅力的なスイッチ(ボタン)にたくさんの児童さんが抗えずに指を伸ばしていました。

殿堂入り!?指差しを促す外せない3冊

『たべたのだあれ』作:五味太郎

問いかけ↔︎指差しのループ

ページをめくると、変化のあるもの/ないものがそれぞれ描かれています。

変化を「探す」「選ぶ」要素が楽しく詰め込まれた絵本。

ミッケ!
文・ジーンマルゾーロ訳・糸井重里

指差しと一緒に視る力も養える

じっくり座ることができる子にお勧め。

たくさんの物の中から一つを選ぶ。音(声掛け)と絵柄(概念)を結びつける練習が楽しくできる絵本。

視線の安定は姿勢や気持ちの安定から育まれて行きます。

きんぎょがにげた 作:五味太郎

王道中の王道

「絵本は破いちゃうんです」と言われていた児童さん(2歳)も夢中になってくれた超定番絵本。

「こんどはどこ?」の問いかけに、「待ってました」とばかりに

  • 楽しみ
  • 興味
  • 意欲

などを指先にのせて子供達はアクションを起こしてくれます。

意思を示すアクションは、指先を通して言語表出へと少しずつ変化の道をたどります。

指差しを促す関わり方のコツ

絵本は「読みもの」と言うよりも、やりとりを生み出すツールと捉えると良いかもしれません。

特に指差しは、教え込んで現れるものではなく、「見つけた👉!」を誰かに伝えたくなった時に指先に意思が乗っかって現れてくるもの。

つまりどんな絵本を選んでも、関わり方がとても重要になってきます。

ここでは今日からできる実践ポイントをまとめています。

読み聞かせで一番大切なのは「教えない」?

指差しを引き出したい時にやってしまいがちなのが

「ここだよ」と答えを言ってしまうこと。

これを続けてしまうと

  • 探す必要がなくなる
  • 気付く経験が減る
  • 共有する動機・意欲が生まれない

結果として指差しが出にくくなります。

正解より大切なのは気づく体験

ちょっと難しそうな時は「このへんじゃないかな?」などヒントを出すのは全然okです

私は「指でぐるぐる大きく囲う」アクションをよくやっています。

指差しを引き出す大人の声掛け

長い説明はいりません。

  • 短く
  • 少なく
  • 待つ が基本です。

具体的には「あ!」「そのへん!」「いたね」など。質問よりもリアクションを多めに取ると吉。

子供は大人の説明よりもリアクションに対してさらに反応を示してくれます。

やってしまいがち💦NGな関わり

わかっているつもりでも、ついついやってしまう大人のNG行動をあげてみました。

気を抜くと自分もやってしまうそうになるので気をつけたいところ。

やりがち大人のNG行動3選
  • 質問を連発連発してしまう
    考えがまとまらない 圧を感じてしまう
  • 指を持って指差しさせる
    行動の意味が理解されない
  • 先に答えを言ってしまう
    探索が止まる

子供が主役、大人は実況といったイメージでやってみましょう。

よくあるご質問

はるみち

ここでは実際に聞かれる頻度が多かった質問についてお答えします。

指差しがまだ出ません。絵本以外にできることは?

例えばお散歩など、日常的な場面で「見つけた」を共有すると良いです。「あ、ワンワン」など見つけたものを大人が指差して見せてあげることも有効です。

指差しは出ているけど言葉が出ません

指差しが出ているということは、発語の土台は出来上がってきているということ。

この段階では言葉を教えるというよりも、やりとりの量が増える遊びが伸びます。

読み聞かせ時間は長い方がいい?

長さよりも回数が多い方を推奨します。

短時間でも絵本を通して“できた”経験を積む方が指差し・発語は増えやすい傾向にあります。

この記事で紹介した絵本一覧

STはるみちオススメ度
『⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️』

指差し特化型☝️
イチオシの絵本

STはるみちオススメ度
『⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️』

食べる事が大好きなお子さんと!

STはるみちオススメ度
『⭐️⭐️⭐️⭐️』

なーんだなんだ

一冊まるごとパ◯ダの変化に注目

STはるみちオススメ度
『⭐️⭐️⭐️』

まるてん いろてん

みんな大好き“色”の変化に👉

STはるみちオススメ度
『⭐️⭐️⭐️』

くらいくらい

大人もつい押したくなるスイッチ🔘

STはるみちオススメ度
『⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️』

たべたのだあれ

食べた犯人?を一緒に探して共有

STはるみちオススメ度
『⭐️⭐️⭐️⭐️』

ミッケ!

親子で一緒に楽しめる一冊

STはるみちオススメ度
『⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️』

きんぎょがにげた

超定番。発達を促す絵本の金字塔

まとめ

指差しは子供が「みつけた」「気づいた」「知らせたい」と感じた時に自然と生まれるアクションです。

そのために大切なのは特別な練習ではなく、日常の中で楽しみや発見を共有する経験を少しずつ重ねること。

今回ご紹介した絵本は、その最初の一歩を自然に引き出すサポートをしてくれるものばかりです。

うまく読もうとしなくても大丈夫

見つける時間を一緒に楽しむことが一番確かなことばの土台作りになります。

著者写真

はるみち
言語聴覚士/公認心理師)

【経歴】
MR(医薬情報担当者)として製薬会社に10年勤務し、30歳過ぎでST養成校へ。現在は臨床で言語聴覚士として10年以上の経験を持つ。令和4年に公認心理師を取得。
【専門】
小児の言語発達とコミュニケーション支援。

→ 詳しいプロフィールはこちら

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