【2歳で言葉が遅い子に】言語聴覚士が選ぶ言葉を引き出す絵本7選|読み方のコツも解説

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目次

はじめに

はるみち

言語聴覚士公認心理師のはるみちです

私は現在、児童発達支援の現場にいますが、子供の発達に不安や悩みを相談される親御さんは多くいらっしゃいます。

2歳を過ぎたけど、意味のある言葉がなかなか出ない

なんとなく理解はしてそうだけど、宇宙語みたいで聴き取れない

このように発達の悩みの中で“言葉”に関する悩みは多くを占めています。

「周りの子と比べても仕方ないよ」「言葉の発達には個人差があるよ」

そう言われて頭でわかっても、不安なものは不安ですよね。

2歳で有意味語があまり出ていないとしたら、確かに言葉の発達はゆっくりな方であるとは言えるでしょう。

私は医師ではないので診断できる立場にありません。なので私が経験している事実だけを述べると

療育に通われている子供さんたちは診断名(障がい名)がついていないことが大多数であり、殆どの子供さん達が有意味語を発するようになり、文を話すようになっています。

この事実が、毎日子供さんのことで不安になられているママパパの安心に少しでも繋がれば幸いです。

そして、何か家庭でもできることを探している親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな時にオススメする方法の一つが絵本の読み聞かせです。

なぜなら絵本には、言葉をキャッチしやすくするための工夫が“楽しく自然に”散りばめられているからです。そして、毎日忙しいママ・パパにとって、子供との時間をギュギュッと濃密に共有する手助けをしてくれるはずです。

今回の記事は以下のポイントを、専門的すぎない言葉でわかりやすく解説しています。

この記事からわかること
  • 2歳の言葉の発達に絵本が良い理由
  • 言語聴覚士が選ぶ“言葉を引き出す絵本”7冊
  • 言葉が増える読み聞かせ方のコツ

「ことばが出ないな」と、フッと不安がよぎる毎日から一歩踏み出せるような内容になっています。

是非参考にしてみて下さい。

先に絵本タイトルを知りたい方は以下を参照ください(クリックで解説にジャンプできます)

2歳で言葉が出ないのは発達障がいなの?

親猫が医師に向かって「子供がお話をしないんです。困っています」という相談事をしている。医師は温かい眼差しで親猫の話を聞いているイラスト。

結論から申し上げると、2歳ごろは特に発達の個人差が大きく、言葉の発達だけで判断はされません

ただ、以下のようなポイントをみられる事が多いようです。

発達のチェックポイント例
  • 指差しの有無
  • 視線が合うか
  • なんらかのやり取りが成立するか
  • 音や動作の模倣(まね)があるか
  • 要求を伝えてくるか  などなど

このように言葉だけでなく、コミュニケーションの全体像で考えられるようです。

受診や相談を検討してもいいサイン

一方でいつも以下のような反応があるのであれば、かかりつけ医や通園している園の先生に相談してみても良いかもしれません。

  • 名前を呼んでも反応しない
  • 目がほとんど合わない
  • 指差しなどの意思表出をしない
  • 無表情

とりあえずの相談は、早めの安心につながります。親御さん自身の「しんどいな」も十分なサインの一つです。

専門機関への相談について詳しく知りたい方はこちら

なぜ2歳児の言語発達に“絵本”が大事な役割を持つのか?

言葉をキャッチすることが困難なイメージ図。言葉は流れていく水の様にその場にとどまる事が難しい。
この絵では川の水の流れに例えて、絵本の様な器があれば言葉という水の流れをキャッチし易いという比喩表現をしたイラスト

言葉とは身体の外に出た途端に消えてしまい、目の前にとどまっていてはくれません。例えるなら流れていく水のようなイメージ

完全にとどめることは難しいけれど、言葉という水の流れを受け止めやすくする器のような役目を絵本は担ってくれます

絵本が2歳児の言葉を引き出してくれる特徴例
  • 音のくり返しで発音が引き出される
  • 大人と視線を共有する共同注意の機会が豊富(共同注意についての解説記事はコチラ
  • 指差しが育つ
  • 言葉(声)を使う場面が自然に生まれる
  • 身近な語擬音で上手く構成されている  など

2歳のこの時期にあった絵本を選び、上記のような特徴と噛み合うことで言語発達を促すことが期待できます。

それでは絵本のタイトルとその特徴を次のコーナーで解説します。

【言語聴覚士がおすすめ】2歳児の言葉を引き出す絵本7選

子供達の前で、保育士と思われる大人が絵本の読み聞かせをしているイラスト

だるまさんシリーズ(だるまさんが・と・の)

かわいいだるまさんが倒れたり、伸びたり、1〜3歳の子供が真似したくなる鉄板絵本

ST的おすすめポイント
  • 「だ・る・ま・さ・ん・が・・」フレーズの繰り返しが言葉を耳でつかまえやすい
  • 動作のマネは言葉のマネの準備運動として理想的👉動作のマネができる子は、後で言葉が伸びやすい
  • 「どてっ」「ぷしゅー」などの擬音は実際のアクションと合わせることで出しやすくなる
はるみち

ある利用児さんは「どてっ」とこける動作のマネから始まり、ある日動作+「(ど)ちぇ」と音を添えてくれるようになりました。

言葉よりも、目にみえる動作のほうが、子供はマネがしやすいです。楽しいだるまさんの動きをマネっこしながら、一緒に言葉(音)もキャッチしてマネてみましょう。
ポイントは完璧を求めないこと。少しでもマネできたら沢山褒めてあげましょう😀

\迷ったらこれ/


ボックスがまたかわいい…

かおかおどんなかお(作・絵:柳原良平/こぐま社)

ST的おすすめポイント
  • 絵本の顔(パーツ)・親子それぞれの顔パーツを指差ししながらやりとりできる
  • 笑った顔(ニコニコ)泣いた顔(えーん)と擬音の促し親子で見合わせながらできる
  • 表情(感情)と言葉の結びつきを学ぶ“入り口”としてとても良い
  • 表情筋を大きく使うことで、はっきりと言葉を発する準備運動がたくさんできる
はるみち

ASD(自閉スペクトラム症)ちゃんなど、他者への関心が薄い子供は特に誰かの表情を見ることが苦手
ヒトの表情と気持ちを知るための教材として重宝しています。
子供と一緒に顔まねをして遊んでみましょう^ ^

きんぎょがにげた(作・絵:五味太郎/福音館書店)

ST的におすすめポイント
  • 「こんどはどこ?」という問いかけからやりとりが生まれる
  • きんぎょを探したい欲求指差しを促す
  • 探す行為は頭の中にあるイメージを、指差しとして表現する練習になる
  • 指差し表現は言葉の表現の前段階にある
はるみち

「絵本は破いちゃうんです」と言われていた児童さん(2歳)も夢中になってくれた超定番絵本。
楽しみを誰かとシェアする事は言葉の土台作りとしてとっても大切。絵本を見るだけでなく、沢山お互いの目が合う機会がありました。
その視線は「先生どう?見つけたよ!」と言っているようでした。よりもが先行して意思を他者へ訴える理想的な瞬間ですね。
目は口ほどになんとやらです。

くだもの(作:平山和子/福音館書店)

そのままの果物と食べられる状態になった果物が次々出てきます。絵がリアルでヨダレもの…

ST的おすすめポイント
  • ものっすごく身近な事物である“くだもの”が題材なので、頭の中のイメージと音が結びつきやすい
  • 「さあ どうぞ」でやりとり↑↑繰り返しフレーズで動作も伴う
  • 食べる動作からマネを促し「あむあむ」などの擬音を添えやすい
はるみち

身近なもの=頭の中に浮かべやすいもの。よく知らないものよりも言葉にしやすいです。
我が家の2歳児は、絵本の中の果物を全力でつかみとりにかかります。私も負けずに激しく「あむあむ」しています。
日常のやりとりでも「さあ、どうぞ」と声掛けしてみましょう!

じゃあじゃあびりびり(作・絵:まついのりこ/偕成社)

生活に身近なものと、その擬音がたくさん添えられている本

ST的おすすめポイント
  • オノマトペ(擬音・犠声音)がたくさん出てくる
  • 短い音の繰り返しで子供の耳に残りやすい
  • 車・水・犬など身近なものが題材
  • 音マネにピッタリ

たべたのだあれ(作・絵:五味太郎/文化出版局)

食べちゃった物による、見た目の変化が起こった動物(ヒト)を探す本

ST的おすすめポイント
  • 「たべたのだあれ」の問いかけからやりとりが生まれる
  • 問いかけから指差しを促す
  • 変化のある動物とない動物を見極める思考力が育つ
はるみち

指差しだけだった利用児さんが最後のページにある「アイ#※(アイス)…」と指差しに引っ張られて言葉が出た瞬間は忘れられません。
「あ」「い」は母音だから特に口の形だけで音が出せたということですね。
「食べる」もとても身近で、子供たちが大好きな行動の一つです。

ミッケ!(文・ジーンマルゾーロ訳・糸井重里/小学館)

左と右のページを見比べて、「ミッケ!」を探そう

ST的おすすめポイント
  • 理解の基本は「同じ」から。
  • 言葉×絵よりも、絵×絵の方が易しい
  • たくさんの中から特定のモノに注視する力も養えてしまう
はるみち

言葉がゆっくりさんは、意外と見る(注意選択する)力が不十分だったりする事があります。注意力から言葉の成長を促すのにぴったりな一冊です。
気が散りやすい児童さんの課題に、部分的に使うこともあります。

\特に長い期間使えます/

言語聴覚士おすすめ“読み聞かせのコツ”

ベッドルームで、布団に入っている子猫に対して親猫が優しく絵本の読み聞かせをしているイラスト

読み聞かせはちょっとした事を親が意識するだけで、効果的に子供が楽しみ・学ぶことが期待できます。

一例として同じ本を繰り返し読むことが挙げられます。

同じ本を繰り返すメリット
  • 次のセリフやフレーズを子供が予測できるようになる
  • 予測できる言葉はつかまえやすい
  • 捕まえた言葉はインプットしやすい
  • インプットした言葉はアウトプット(表出)へ繋げやすい

繰り返し同じ絵本を読むことで上記の様な良い循環が生まれやすくなります。

他にも

  • ごいごい言わせようとしない
  • 親が言葉を添えてあげる
  • 声の大小、高低で抑揚をつけてあげる
  • リラックスできる時間、空間で

などを意識すると良いと思います。是非参考にされてみてください。

他にも読み聞かせ方のコツ、絵本の選び方など詳しく知りたい方はこちら

よくある質問

はるみち

親御さんからよく頂く質問をまとめてみました。ぜひ参考にされてみてください。

絵本はどんな特徴のものを読めばいい?

まずは「短い文章・繰り返し表現・行動がイメージしやすい絵」を選ぶのがおすすめです。

語彙のインプット量よりも、「理解しやすさ」「親子でやり取りしやすいか」を優先すると、子どもの発話につながりやすくなります。

読み聞かせのとき、文章を全部読む必要はある?

必要ありません。

  • 文章を短くする
  • 絵を指差して名前を言うだけにする
  • 擬音語だけ読む

このように、理解度やその子のその時の状態に合わせての調整はOK。

私もよくやります

発語を促すために“たくさん質問”したほうがいい?

むしろ逆効果な場合が多いです。「言って?」「言わなきゃ」圧が子供にかかってしまいます。

子供が指差したものや、じっと見ているものの名前を“親が読んで添えてあげるだけ”でも十分。

同じ本ばかり選ぶけど、色々読ました方がいい?

なんならとても良いサインです。

繰り返し同じ本を読むことで

  • 語の理解
  • セリフの記憶
  • 安心感

上記のようなメリットがあります。擦り切れるまで読んでしまってOK。

絵本の内容を理解していないように見えます。効果ある?

「理解しているか」は行動に出にくいだけで、しっかりインプットされている場合が多い。

  • 同じ本を選ぶ
  • 絵をじっと見る
  • 特定のページで止まる

反応が薄くても、上記のようなリアクションが見られるなら理解は進んでいると考えて良さそうです。

この記事で紹介した絵本一覧

はるみち

療育の現場などの使用感からオススメ度を入れています。
参考にされてみてください。
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️=選んで間違いなし
⭐️⭐️⭐️⭐️=合う子が多い
⭐️⭐️⭐️=好みが別れるが、刺さると強力

STはるみちオススメ度『⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️』

『だるまさんシリーズ』

動作と言葉のマネに最適

STはるみちオススメ度『⭐️⭐️⭐️⭐️』

『かおかおどんなかお』

表情を見つめて顔まねしよう

STはるみちオススメ度『⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️』

『きんぎょがにげた』

探して指差して、やりとり⤴️

STはるみちオススメ度『⭐️⭐️⭐️』

『くだもの』

身近なくだもの「さぁどうぞ」

STはるみちオススメ度『⭐️⭐️⭐️』

『じゃあじゃあびりびり』

擬音絵本の超定番!

STはるみちオススメ度『⭐️⭐️⭐️⭐️』

『たべたのだあれ』

指差しから発語へ

STはるみちオススメ度『⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️』

『ミッケ!』

見る力から言葉を鍛える

まとめ

言葉は「教えよう!!」と意気込むことよりも楽しむことが有効な場合がとても多いです。

絵本は2歳児の言語発達を楽しみながら促すことができるとても有効な手段のひとつと言えます。

お父さん、お母さんが楽しみながら絵本を読んであげられたら、それは子供にとってとても素敵な「ことばの時間」になるのではないでしょうか?

今回の記事がそんな親子さん方の一助になれば幸いです。

著者写真

はるみち(言語聴覚士/公認心理師)

【経歴】MRとして製薬会社に10年勤務し30歳過ぎでST養成校へ。現在は臨床で言語聴覚士として10年以上の経験を持つ。令和4年に公認心理師を取得。【専門】小児の言語発達とコミュニケーション支援。

→ 詳しいプロフィールはこちら

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