言葉の発達段階に合わせた絵本選び|言語聴覚士がステップ別に解説

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目次

はじめに

はるみち

言語聴覚士公認心理師のはるみちです

私が勤める発達支援事業所では、このようなママ・パパのご相談が多く寄せられます。

もうすぐ子供が3歳になるけど、2語文がなかなか出ません

子供は今2歳ですが、意味のある言葉がほとんどありません

発達の悩みの中でも特に言葉の悩みというのは多くを占めているようです。

ただ、子どもの「言葉の発達」は、年齢だけでは測れません
同じ3歳でも、まだ意味のある言葉が出ていない子もいれば、短い文で気持ちを伝えられる子もいます。

そんな中で、「子供に何をしてあげたらいいんだろう?」と悩む親御さんはとても多いものです。

子供の言葉を引き出すために、お家の限られた時間の中でできる取り組みの一つとして、私は絵本の読み聞かせをオススメしています。
この記事では、言語聴覚士の視点から、言葉の発達段階に合わせた絵本選びのポイントをわかりやすく整理します。

「うちの子に“いま”合う絵本を知りたい」という方は、ぜひ最後まで読んでくださいね。

言葉の発達段階とは?

階段1段ごとに言葉の発達段階の目安が書いてある。1段目は初語。2段目は2語分など。その階段を黒猫の子供が見つめている。2語文が出ているということは、言葉の発達年齢は2歳くらいかなと解説している。

言葉の発達段階とは、実年齢ではなく、目安となる項目のどのあたりの反応が出ているかで判断されるものです。言葉の発達年齢とも言われます。

判断される項目は大きく考えて以下の2つです。

  • 言葉の理解(インプット)
  • 言葉の表出(アウトプット)

以下の表から大まかな目安をみてみましょう。

発達段階理解表出
1歳親からの簡単な要求を理解できるおいで」「ちょうだい」など意味のある   言葉を言う
2歳「もうひとつ」    「もう少し」   がわかる2語文を  話す
3歳「高い」「低い」    がわかる同年代の  子供と会話 できる
4歳数の概念
がわかる
4数詞の  復唱ができる

遠城寺式乳幼児分析的発達検査より抜粋

ここで注意したいのは「発達段階の反応が“いま”ないからといって過度に焦らない」こと。

これらはあくまで“指標”でしかありません。

実年齢3歳まで意味のある言葉(発達段階1歳)が出てなかったけど、3歳3ヶ月からいきなり2語文が出て、今うるさいくらい喋ってます。

こんなケースも療育の現場にいると実際よく経験します。

そうは言っても不安は不安です‥

不安に思う気持ちは当然です。そんな時は一人で考え込まず、SNSで先ゆく先輩の意見を聞いてみたり、気軽に専門家へ相談する事がオススメです。

専門家に相談するタイミングや方法については、▶︎「2歳・3歳で言葉が出ない時に、親が知っておきたいこと」で詳しく解説しています。

言葉の発達段階に合わせた絵本選び

言葉の発達段階1歳ごろ:音やリズムを楽しむ絵本

言葉の発達段階1歳ごろは“意味のある単語が少しずつでる(準備をしている)”時期。

言葉での表現というよりも、「音」や「リズム」を小さな身体で感じながら絵本を楽しむ段階です。

この時期に「聞いて真似したくなる音」にたくさん触れることが言葉の芽を育てる大切な一歩になります。

この時期にオススメの絵本

短く繰り返しのある言葉、擬音語擬態語が多い絵本がおすすめです。
視覚・聴覚・リズムのすべてを使って「ことばあそび」を楽しみましょう。

  • 『じゃあじゃあびりびり』(まつい のりこ)

「じゃあじゃあ」「ぶいーん」など音のリズムが楽しい絵本。聞いた音を真似る遊びを通して言葉の発達を自然に促してくれます。

  • 『きんぎょがにげた』(五味太郎)

「こんどはどこ?」の問いかけ・繰り返しからやりとりが生まれやすい。言語表出の前段階である指差しも自然と促してくれます。

紹介した絵本はこちら
・『じゃあじゃあびりびり』(まついのりこ)▶︎楽天ブックスで見る

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言葉の発達段階2歳ごろ:関心のある言葉に何度も触れられる絵本を

言葉の発達段階2歳ごろは“語彙爆発期”と言われ、一気に言葉が増えてくる時期です。

実は、「話す」言葉が増える裏側には、「理解できる」言葉の広がりがベースとして必ずあります。

この時期は話す言葉を増やそうと意識するよりも、言葉を理解して使いたくなる土台作りが大切になります。

そのために以下のことを意識すると◎。

この時期に意識すると◎なこと
  • 知っているもの
  • 普段やっていること
  • 好きなもの

これらの言葉に繰り返し触れられる体験

遠回りに感じるかもしれませんが、インプット(理解)の機会をより多く持つことが、後のアウトプット(言語表出)の拡大を確実に後押ししてくれます。

この時期にオススメの絵本
  • 『いろいろばぁ』(新井洋行)

色んな色が子供は大好き。2語文「車×走る」よりも「赤い×車」の方が難易度が低い。やさしめの2語文の土台になる

  • 『わたしのワンピース』(にしまきかやこ)

お話全体のリズムが良く、使っている単語も子供にとっても馴染みのある語が多い。擬音の散りばめやくりかえしのストーリー展開がわかりやすい。

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言葉の発達段階3歳ごろ:会話を楽しむ時期

言葉の発達段階3歳ごろは“語彙数がどんどん増え、文が繋がってくる”時期。

また物の名前だけでなく状態(大きい/小さい、高い/低いなど)の理解も進みます。

一方で発話量の増加に対して、発話の明瞭度(わかりやすさ)が低く、何を言いたいのかわからないこともしばしば。

これは口やベロの動きが拙いことや、細かく聞きわける力がまだ不十分などの理由が挙げられます。

あまり聞き返しすぎないことも大切なサポートになってきます。

この時期にオススメの絵本
  • 『ぐるんぱのようちえん』(西内ミナミ作/堀内誠一絵)

毎度はりきるけど上手くいかないぐるんぱ。気持ちの上下が一定のリズムで他者の気持ちに寄り添いやすい。また身近な生活語彙が多く出るので、文章が入ってきやすい。

  • 『からすのパンやさん』(かこさとし)

色、形、大きい小さい、多い少ないなど抽象的な言葉を学ぶことができる。たくさんのパンから「どれが好き?」とやりとりも生まれやすい。

紹介した絵本はこちら
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絵本を選ぶ時のポイント

言語聴覚士の視点からオススメする絵本のポイントは以下になります。

  • 繰り返し(フレーズ)が多い
  • 子供への問いかけがたくさんある
  • 普段よく見るもの(好きなもの)が題材になっている
  • 子供が“触れる”仕掛けがある

発達段階に合った絵本を選ぶことは重要ですが、実際には「読み聞かせ方」や「環境」もことばの発達に影響を与えます。
【言語聴覚士が解説】[子供の言葉を引き出すために絵本を勧める理由と選び方・読み聞かせ方のコツ]で、より実践的な方法を紹介しています。

まとめ

言葉の発達は、年齢よりも「その子がどんな体験を積み、どんな気持ちを表したいか」に大きく影響を受けます。
絵本は、子どもの心の動きと結びつきながら「聞く」「まねる」「話す」力をやさしく育てるツールです。

以下に言葉の発達段階ごとに意識したいポイントをまとめてみました。

言葉の発達段階言葉の特徴絵本のねらい
1歳ごろ有意味語の準備をしている時期で喃語もまだある音やリズムを楽しむ。興味・関心の共有を
2歳ごろ単語が増える・やりとりが始まる身近なものを「言葉と一致させる」体験を大切に
3歳ごろ文で話し始める・助詞や感情語が増える物語の順序や感情の流れを感じる経験を

絵本は“言葉を教えるための教材”ではなく、親子でことばを楽しむための心強いサポーターです。
「まだ話せない」「言葉がはっきりしない」と感じるときほど、焦らずゆっくりとページをめくってみてください。
親子で笑ったり、驚いたりするその瞬間が、ことばの育ちを支えてくれるはずです。

発達段階別のおすすめ絵本をチェックしたい方はコチラ

▶︎言葉の発達段階1歳向けオススメ絵本7選

▶︎言葉の発達段階2歳向けオススメ絵本7選

▶︎言葉の発達段階3歳向けオススメ絵本6選

著者写真

はるみち(言語聴覚士/公認心理師)

【経歴】MRとして製薬会社に10年勤務し、30過ぎでST養成校へ。現在は臨床で言語聴覚士として10年以上の経験を持つ。令和4年に公認心理師を取得。
【専門】小児の言語発達とコミュニケーション支援。

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