【子供の気持ちが切り替えられない原因4選】小児言語聴覚士と考える対策!

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はるみち

小児言語聴覚士・公認心理師のはるみちです。

「おもちゃコーナーからいつまでも離れられない」

「落ち着かせるのにYouTube観せてたら、タブレット消す時に必ず泣きわめく…」

これは我が家で以前よくみられた光景です。日々時間と闘うパパママにはあるあるの光景なのかもしれません。

ママ

もう少し早く気持ちを切り替えてほしい

パパ

毎度泣かれてしまうと辛い…

全国の子供を持つパパママの声が聞こえてきそうです。私も過去に悩み、専門的視点から勉強し直したテーマになります。

今回は子供の気持ちが切り替えられない理由と、その対策について一緒に学んでいきたいと思います。

よろしければ最後までお付き合いください。

目次

子供の気持ちが切り替えられない原因4選

子供の気持ちが切り替えられない原因は「子供の脳の発達が未熟であること」が考えられます。

そのため以下のような反応が起こりやすくなります。

子供の気持ちの切り替えを邪魔してしまう具体例を4つ挙げてみました。

それぞれについて解説していこうと思います。

見通しが立てられない

小さな子供達とは違い、私たち大人は見通しをたてることができます。なぜならこれまでに積み上げてきた様々な経験知識があるからです。

見通しとはこの場合、以下のようなことを指します。

見通し」とは

過去の経験則から

  • これからやろうとするタスクをいくつかの工程に分割する
  • タスクに必要な時間や労力などの大まかなコストを予測する

つまり、圧倒的に経験や知識が少ない子供たちは見通しを立てることが難しいのです。

見通しが立てられないと…

  • 心が不安定になる
  • 現状にしがみつきたくなる 変化を嫌う
  • 感情的になりやすい

上記のような状態に陥りやすくなります。特に現状が魅力的であればあるほど「変化」させたく無いですよね。

はるみち

見通しのたっているお化け屋敷は割と冷静に対処できます👻

大人の言葉は【外国語】?

今後の予定などについて、日本語で伝えられる場面と、外国語のみで伝えられる場面を想像してみましょう。

どちらの方が安心するでしょうか?

私たち大人が「伝わるでしょ」と思って何気なく発する長文は、実は子供たちにとって外国語のようにわかりにくいものだったりします。

はるみち

「わからない」という状況は心がザワザワします( ;∀;)

気持ちの表現も【外国語】!?


ここでも「外国にいる自分」を想像してみましょう。

充分な言語力がなく、外国語で自分の気持ちを表現できず相手に理解をしてもらえません。

こんな日常が続いてしまったら…

心のさけび

あ゛ぁあ゛ぁぁー!

とイライラしたり、心が乱れてしまうと思います。

子供たちにとって「ことばで自分の気持ちを表現すること」は大人が想像する以上にハイレベルなスキルなのです。

みかんを見て「みかん」と言うことと、とても悔しい思いをして「悔しい」と言えることには大きな隔たりがあります。

脳は【高】燃費!

子供の脳は未成熟なため、集中することや、複雑な作業をすることですぐにバテてしまいます。

そして子供に限らず大人もですが、脳は身体の中で最も燃費の悪い、とっっても大食いな臓器です。

幼児の脳で例えると体全体の40〜50%のエネルギーを使うと言われます。びっくりですよね。

脳が疲れてしまうと感情のコントロールが難しくなるため泣き喚いたり、時には暴れたりしやすくなってしまいます。。

はるみち

小学生になった娘も、疲れがたまると怒りやすくなります…というか私も‥(反省)

大人が子供のためにできる対策4選

ここまでは子供の気持ちが切り替えられない原因を挙げてきました。

ここからはそれぞれの原因に対する対策を実例を交えて解説します。

【見通し】を補助してあげる

大まかに以下の二つを参考にしてみてください。

  • 事前予告をする
  • 視覚支援をする

私たち人間は「変化」に大きなストレスを感じ、消耗してしまいます。

見通しを立てることで今後の変化を予測できます。その結果、受けるストレスを軽減することができます。

事前予告は「あとこれくらいで今の活動が終わる」「次は◯◯しようね」などと声掛けをすることで、子供が次の変化に備える気持ちを作り出します。

【メモリ付きタイマー】なども併用すると効果的な場合が多いです。

注意点としては子供のテンションが上がっている時にはあまり効果的ではありません。子供がリラックスしている時にサクサクっと声掛けをしてみましょう。

視覚支援は事前予告だけでは不十分な場合に有効です。

視覚情報はことばかけを補完してくれますし、音声と違ってすぐに消えないので子供自身のペースで次の見通しを立てる手助けになります。

イラストにあるような「スケジュールカード」は携帯できるため、屋内外問わず色々な場面で使用できます。

注意点として、視覚支援は大人からのメッセージを子供に届けやすくするものです。

子供に大人の言うことをきかせるためのものではない事に留意ください。

ことばかけをシンプルに

外国語しか聞こえてこない環境で、自分が望む事を考えてみたいと思います。

  1. 簡単な単語で話してほしい
  2. 長文はやめてほしい
  3. ゆっくり話してほしい

こういった意見は多く挙がるのではないでしょうか

言語能力が不十分な子供達にも同様のことが言えます。

  • 「遊びが終わったらおかたづけをして、それからご飯を食べるからね」
  • 「遊ぶ おかたづけ ご飯ね」

発達年齢や言語能力にもよりますが、これくらいシンプルでも良いです。

声・音の情報はすぐに消えてしまうものなので、声をかけるときは子供がこちらに注意を向けていることが必須となります。

事前予告と同様にタイミングが大切です。

【子供感情の名付け親】になる

赤ちゃんがよく泣くのは「自分の気持ちがことばで表現できないから」です。もう泣くしか伝える手段がないんですね。

子供は気持ちを上手に表現できないことで泣いたり、癇癪を起こすことがよくあります。

ここで、すかさずパパ代表Aさんの問いかけが入ってきました。

Aさん

気持ちを言葉で表現できるようにしてあげれば良いのでは?

確かにその通りなんです。ただそれは言い換えると「今、言語レベル5だけど、レベル100にしてあげればいいじゃない?」というくらいの無茶ぶりだったりします。

ここはゆっくりと子供の言語レベルアップに付き合っていくしかありません。

子供が感情を言語化していくために大人がサポートできることは以下のようになります。

  • 子供の感情を否定せずそのまま受け止める
  • 受け止めた気持ちを「悔しかったね」など言葉で表す
  • ジェスチャーなど視覚情報を合わせて気持ちを表現する
  • 「パパは嬉しくてニコニコだったよ」など親の気持ちを言葉で表す

子供は自分の気持ちを表現するようになることで、少しずつ自分の感情をコントロールできるようになっていきます。そうすると気持ちの切り替えも上手になっていきます。

子供の脳を気遣ってあげよう

小さい子供や、感覚過敏など特性のある子供は特に脳が疲れやすいです。

慣れない大きな刺激を処理するために、たくさんのエネルギーを脳が消費してしまうからです。

  • 休息時間をこまめに儲ける
  • 感覚刺激の入力を抑えるため、光や音などが入りにくい環境に身を置く
  • 見通しを立てやすくする(前述)
  • 1度に2つ以上の指示は入れずに、1つずつ

これらを意識して子供と接するだけでも、子供の気持ちを落ち着ける効果が期待できると思います。

これだけはやってはいけない対応◯選

大人にも都合があり、いつも余裕を持って接するなんて本当に難しいですよね。桃源郷にお住まいか、爺やでも側にいない限り本当に難しいことだと思います。

ただ、大人にも都合があるように、子供にも都合というか「理由」があって気持ちを切り替えることができないのです。そのことを大人や支援者は改めて確認しておいた方が、お互いのために良いのではと筆者は思います。

やってはいけない対応3戦
  1. 急な中断
  2. 子供の気持ちを否定する・怒鳴る
  3. 力づくで従わせる

急な中断

大っ体パニックになりますよね。うちもいまだに時々やらかして2歳の息子が号泣します。

心の準備が何もできていない状態なので、子供は絶望するしかありません。

予告視覚支援シンプルに優しく伝えれてあげられるといいですね。

子供が理解できた情報を、納得して行動に移すまで時間を要する場合が多いのですが…

子供の気持ちを否定する・怒鳴る

パパBさん

泣くんじゃない!

ママCさん

わがまま言いなさんな!!

気持ちは痛いほどわかりますがこれは火に油です。

親が感情的になって良いことは本当に1っつも無いので、子供の感情を受け止める余裕を持ちたいものです。自分に言い聞かせています。

怒鳴ってしまうと子供の脳にさらなる混乱と恐怖を刻み込む結果になります。

つまり結果的に自分(親)の首をしめてしまう事につながってしまうんですが‥ねぇ?

力づくで従わせる

これも起こりがちではないでしょうか。

親との愛着」と言う信頼の土台が崩れてしまいかねないリスクをはらみます。

土台がぐらつくと感情もぐらつきやすくなります。

まとめ

それではまとめです。

子供の脳は未成熟なため、日々とっっても負荷がかかっています。気持ちが不安定になりやすい理由についても何か気づきがあったなら幸いです。

こうして振り返ると「大人になっても当てはまる部分ってあるなー」と気付かされます。

わかっていても上手くできないよ!

このような感想を持たれた方、少なくないですよね。

前述にもありますが大人にも「事情」があります。毎回毎回上手に対応できる人の方が稀じゃないでしょうか。

ただ「事情」という言葉でまとめるよりも、大人にもできない「理由」があると考えた方が上手くいく期待値が上がりそうな気がします。

大人自身のケアもしつつ、子供のことばや、感情コントロールなど成長を見守っていきたいと感じる日々です。

こちらの記事が参考になれば嬉しいです。

はるみち

大人も無理せずにいきましょー^_^

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